『人間と青』245. 一旦、ここから離れよう
本も無事、楽しく読み終えたことだし、そろそろ一旦、ここから抜け出さないと、ユングの世界に潜り込んでしまいそうである。作者の分析は帰する所、わたし自身の分析へと移行したのだが、そもそもが安定した精神のなか
Read More『人間と青』244. 自己分析への執着
もしかすると作者が意図するものは、劣等感とはまた別の感情なのかもしれない。劣等感を向上心に変えるというよりは、それを自我として認識し、そこから新たなる自己へと変化させているような気がするからだ。これは最初
Read More『人間と青』243. 平凡も終盤へ
平凡と向き合う時間も、そろそろ終盤に差し掛かろうとしている。わたしはあえて名前を出さずに、この作者から自動的に発生した学びについて思考してきたが、これを読んだほとんどの人がもう誰のことだか察しがついている
Read More『人間と青』242. まだ平凡の中
よく考えてみると、平凡に感染したのはなにもこの作者のせいだけではない。まず第一に精神が安定している。そうなるとモノゴトの見方がふつうになるので、個人的には束の間の休息というか、なにも考えずにホッとできる
Read More『人間と青』241. 平凡感染の続き
ということで、昨日感染した平凡の続きに向き合っている。こんなにも“普通”に侵されるということは、逆に何かあるからだ。そうは言っても脳が拒否するので、飛ばし飛ばしにはなるのだが、100ページを過ぎた辺りから、普通
Read More映画『沈黙 -サイレンス-』の舞台、長崎・五島列島で潜伏キリシタンの歴史に触れる
長崎県五島列島。大小あわせて152からなるこの島は、潜伏キリシタンの多くが迫害から逃れ、移り住んだ場所として知られている。2016年に遠藤周作の小説『沈黙』を原作に、マーティン・スコセッシ監督により映画化(タイト
Read More金沢城公園に眠るカラスと冬の雷、金沢で遭遇するもう一つの日常
日本と欧州を行き来しながらさまざまな土地で暮らしていると、数日の旅行では見逃してしまうような、あらゆる出来事に遭遇することがある。昨年の晩秋から初冬にかけて、ひと月ほど滞在していた金沢では、この土地ならで
Read More四季折々に美しい集落「白川郷」で、持続可能な観光を考える
昨今、日本でもすっかり定着したSDGsというフレーズだが、オランダの非営利団体「グリーン・デスティネーションズ」が選ぶ、「世界の持続可能な観光地100選」なるものをご存知だろうか。グリーン・デスティネーションズは
Read More今夜は中秋の名月、伊勢神宮別宮「月讀宮」に祀られる月読命
2021年9月21日、今夜は中秋の名月である。「今年の十五夜は8年ぶりに満月です」と、たくさんのニュースでにぎわいを見せているが、私は今日の今日まで、中秋の名月=中秋の満月に日付を合わせていると思っていた。
Read Moreお正月に出会えた愛媛の高級みかん「紅まどんな」
昨日からスタートした連載『マイ・コビッド・ナインティーン』の、第1回に登場する愛媛の高級みかん「紅まどんな」。お正月に母方の祖母から手渡されたときは、「おばあちゃんはエスパーか!?」と驚きを隠せなかった私
Read More京都の日常①「小腹がすいたら駄菓子感覚で和菓子」
京都という町には至る所に小さな町屋があって、21世紀を5分の1ほど過ぎた今でも、昔ながらの商売が当たり前に機能している。商店街も多く、その周辺には住宅がひしめき合っているので人の行き来もある。もちろん今は
Read More長崎の朝はカステラではじまる
長崎本土での滞在中、毎日朝ごはんに食べていたカステラ。室町時代の終わりに、交易で訪れていたポルトガル人から「カスティーリャ王国(スペイン)のパン」と紹介されたのが、日本での始まりといわれている。スペイ
Read More『トリノ・パラベラで舞うトスカ』サトコ・ミヤハラ、あなたのプログラムは息をのむほど美しい
2022年3月26日、フィギュアスケーターの宮原知子が現役引退を発表した。この日は宮原の24歳の誕生日。彼女が第二の人生を発表することを選ぶのに、これほど適した日はないだろう。そして、引退を発表した直後、スター
Read Moreあのノスタルジックな時間をもう一度、コロナ禍直前の「セブアイランド・モアルボアル」
あの時間が懐かしい。あんなにも自由に行き来できた世界が懐かしい。日本のパスポートが最強だったあの頃、たった2年前までは、あんなにも自由だったのだ。あの時間をもう一度、心からもう一度願う中ではじめた連載『マイ
Read Moreアメリカ同時多発テロから20年、そして翌年のニューヨーク
今から20年前の2001年9月11日、ニューヨークのワールドトレードセンターやアーリントンのペンタゴンに、ハイジャックされた旅客機が次々と突入したアメリカ同時多発テロ。私は21歳になったばかりの頃で、まだまだ世
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