私が今回滞在しているアパートメントは、ステッラと呼ばれるサニタ地区にあり、洗濯物が頭上をはためく超大衆的なエリア。まさに昔ながらのイタリアが味わえる雰囲気で、たとえるならば、ソフィア・ローレンやマルチェ

イタリアが封鎖されたあとも悪化の一途をたどるロンバルディア州の病院では、張りつめた精神で休む暇なく働き続ける医師や看護師たちに、体力の限界が近づいていた。と同時に、集中治療室が足りなくなるかもしれない

イタリア全土に移動制限が拡大されたことで、私がまず取り掛かったことはアパートメントの手配だった。今、借りている部屋は3月29日までの契約で、そのあとは他の人が借りることになっている。イタリアの移動制限

イタリア北部の広い範囲に移動制限が発令されてから数時間後、私はいつもと違う朝を迎えた。3月8日未明に行われたコンテ首相の会見の内容を私が知ったのは、夜が明けてからだった。だがその内容よりも、会見の少し前

新型コロナウイルスによる影響がイタリア全土に広がったのは、ナポリでの生活がスタートしてから6日目、3月5日のことだった。小中学校や高校、大学の一斉休校、サッカー1部リーグをはじめとするスポーツの試合はすべ

ゼエゼエゼエ⋯⋯、イタリア南部にあるナポリの町は坂がきつい。それにしてもアジア人をまったく見かけないが、私は大丈夫だろうか。ここで暮らしはじめて数日経つが、なんだか急に、一昔前のヨーロッパにでも来たみ

イタリア第三の都市ナポリには、ウィーン経由で到着した。2019年12月にミラノから帰国の途に就くとき、次の滞在先は南にしようと決めていた。当時は、新型コロナウイルスがその後の世界を襲うことなど夢想だにせず、

嫌な予感はつづいていた。日本の感染症法の「指定感染症」にも指定された新型コロナウイルスは、2月に入るとますます私たちの生活に浸透してくるようになった。中国・湖北省に滞在歴のある外国人の入国拒否がはじまり