タグ: Human and blue

『人間と青』85. 路地裏の歌うたい

繁華街を歩いていたら、どこからともなく歌声が流れてきて、路上ライブでもやっているのかなと辺りを見回しても、どこにもそんな姿は見当たらない。どうやら路地を曲がったところに、スタジオがある様子。ドアを開け

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『人間と青』84. 13分間のチェアリフト

片道13分間の空中散歩が忘れられなくて、今日も一日ニマニマしている。それはまさに動かないチェアブランコ。皆が一人ずつ、ぼーっと静かな時間を過ごしている。聴こえてくるのは鳥の声と風の音、時にリフトの滑車音。す

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『人間と青』83. 絶対的なもの

わたしたちが生きるこの世の中には、絶対的なものが存在する。それは意識しないと見えてこないし、経験がものを言うとも限らない。絶対的なものを区別できる感性が必要となる。それは人によって違うと考えるのであれば、

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『人間と青』82. 元気かな

大切な友人の命日である今日という日に、父はまたひとつ歳をとった。何歳になったのだろう。自分の年齢でさえよく間違えるので、生まれ年からきちんと数えてみる。もしかすると初めてかもしれない。一点の曇りもない温か

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『人間と青』81. ラッキーとは何か

ポジターノのバス停で、ソレント行きのバスを待っていたら、乗客を乗せた一台のバスが通り過ぎて行った。ここで待ち始めてから20分は経つ。およそ30名が落胆した。10分後、ようやくバスがやってきた。席はほとんど埋まっ

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『人間と青』80. 過去の記憶

過去の嫌な記憶。その記憶と向き合うことは、いつだってしんどい。だいぶ乗り越えてはきている。そう実感はしている。でもこれ以上の努力はできないので、あとは流れに身を任せよう。きっとわたしがおばあさんになる頃に

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『人間と青』79. 異常高温による混乱

本日のナポリは三十九度。アイフォンの天気予報には、異常高温による混乱と警報が出ている。今日はおでかけする予定だったけれど、やめよう。おとなしく家にいよう。問題は高温だけではない。空気質も悪いイタリア。こん

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『人間と青』78. 壊れたメトロノーム

また、左目の下がピクピクしている。この痙攣は一生続くのだろうか。一年のうちのほとんどがこの状態である。わたしは鏡を覗いた。ピクピクする神経を眺めながら、ビデオアートのようだと思った。この神経に色を加えて、

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