昨日からスタートした連載『マイコビッドナインティーン』の、第1回に登場する愛媛の高級みかん「紅まどんな」。お正月に母方の祖母から手渡されたときは、「おばあちゃんはエスパーか!?」と驚きを隠せなかった私だが、この紅まどんな、本当に美味しいのでここに紹介しておきたい。

まずは「紅まどんな」について、少しだけ豆知識を述べることにしよう。

  1. 正式品種名は「愛媛果試第28号」で、品種登録は2005年
  2. 愛媛果試第28号の品質基準をクリアすると、「紅まどんな」と名乗ることができる
  3. 品種は愛媛県のオリジナルで、南香と天草の交配により育成されたタンゴールの一種
  4. 糖度は10.5度以上、酸度は1.2%未満
  5. 主な産地は松山市、今治市、伊予市、八幡浜市
  6. 旬は11月下旬から12月いっぱい
  7. よく例えられる食感は「まるでゼリーのようにぷるぷる」
  8. 夏目漱石の小説『坊ちゃん』に登場する人物・マドンナから命名
  9. より美味しく食べるには「スマイルカット」

こんなところだろうか。

とにかく甘くてジューシー。品質の規定基準となる糖度は10.5度以上でクリアだけど、実際は12〜13度あるらしい。酸味は、濃厚な口当たりを軽減させるために柑橘を一絞りするかのような、料理上手な人がやるあの絶妙な塩梅といった感じで、みかんというよりはオレンジをイメージすると良いかもしれない。

実際に大きさは、みかんより一回り大きいオレンジサイズ。でも皮は、みかんのように薄皮。いや、一般的なみかんよりも、外果皮もじょうのうもさらに薄皮なのだ。だから、通常の花びらのように剥いて食べる方法よりも、スマイルカットが断然おすすめ! スマイルカットとは、みかんを地球になぞらえた場合、赤道をカットする方法のこと。これで、美味しさ倍増である。

Mandarin orange "Beni Madonna"
※スマイルカットはこんな風に水平にカットして、さらに4分割にして食べる

愛媛では、紅まどんな以外にも甘平、千両、せとかなど、それはそれは美味しいみかんがたくさん栽培されている。紅まどんなの旬はもう終わってしまったけれど、たいていのみかんの旬はこれから。紅まどんなは、あえてこの時期に作りたくて作っただけで、ちょっと他より早いだけなのだ。いわゆるお歳暮狙いというやつで、旬を知らないと食べ損ねてしまうのだけど、夏目漱石の『坊ちゃん』に登場するマドンナはきっと高嶺の花だから、そのくらいがちょうどよいのである。

ということで、愛媛の高級みかん「紅まどんな」は、来年のお楽しみに。