イタリアのロックダウンが3週間延長になったことで、私はまた大家のジョバンナにアパートメントの交渉をしなくてはならなかった。前回の延長時には、価格交渉こそすんなり受け入れてくれたものの、それ以外に支払う料金
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『人間と青』23. 無音の町
今日、わたしの暮らす町に、音がしない。夕暮れ時のこの町に、音がしない。不思議だ。聞こえてくるのは、風の音だけ。人の声も、虫の声も、鳥の声も、車の音も、ただそこには、生暖かな風が吹くだけで、いつもあるその
Read More『人間と青』22. 太鼓の音
どんどんと、故郷に鳴り響く太鼓の音。幼き頃を思い出す。懐かしいと感じられる心そのものが、奇跡のよう。このような時が訪れることを、誰が想像できただろう。故郷を去ってはや二十何年。ようやく大人に近づけたのだ
Read More『人間と青』21. 四国山地
四国山地というのは、なかなか良いものである。それなりに険しいのだが、遠目に見ると穏やかに映ずる。今時分は、山桜が葉桜へと変わり、黄緑、緑と色もさまざまで、太陽によって鮮やかに彩られる。雨が降ったあとに西日
Read More『マイ・コビッド・ナインティーン』第17回「シンプルに生きる」
今は復活祭前の聖週間。イエス・キリストと使徒たちの最後の晩餐を記念する聖なる木曜日からは特に重要で、イエスが十字架にかけられた聖なる金曜日と、墓中にいた聖なる土曜日は教会の鐘の音が鳴らない。私は欧州
Read More『人間と青』20. 穀雨の候
若苗に恵みの雨が降る時節となりました。しかし、花冷えは続きます。桜はとうに散ったので、若葉冷えとでもいいましょうか。それはもう少し先でしょうか。日本は田植えの季節、水を張った棚田というのは、美しいものです
Read More『人間と青』19. 啓蟄
にょろにょろと、冬ごもりから出てきた虫たち。おはようございます。むかで、くも、なめくじ。この虫たちだけは、大きくなればなるほど、田舎で暮らす人間にとって大敵である。啓蟄の時期はとうに過ぎ、地上にはうごめく
Read More『マイ・コビッド・ナインティーン』第16回「ビールとワインは生活必需品である」
イタリアの死者数がとうとう1万人を超えてしまった。3月28日にはおよそ900人もの人が亡くなった。感染者数も9万人を超えた。ロックダウンから3週間が経過した今、少しずつ感染者の増加スピードに鈍りがでているとは
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