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『人間と青』18. 花無常

ハッとさせられるものの一つに、地面に落ちた花がある。もろく儚いという表現では追いつかないほどの、恐ろしさがある。死を連想させるその瞬間、心臓が締めつけられるその瞬間、事故に遭遇したかのように、一瞬、刻が止

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『人間と青』17. 数字の魅力

わたしは数字が好きである。あの魔力に取り憑かれたかのような感覚は、何者にも代えがたい魅力がある。月末になるとやってくるこの時間。ずっと追いかけていたいのに、終わりを迎えなくてはならないこの悲しみ。ときにパ

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『人間と青』16. 一通のメッセージ

今日、遠い国から、一通のメッセージが届いた。数か月先のあなたとの約束を守れなくなった。大きな問題が発生して、息子と一緒にある場所へ行かなくてはならない。私はとても混乱している。まだ知らない人、でも誠実な人

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『人間と青』15. 静寂の刻

しとしとと雨が降る中、階下の音は聴こえてこない。犬も寝静まり、雨でノイズが消された、静寂のとき。今は未明ではなく、日曜日の午後。わたしはルポルタージュに目を通しながら、やさしくありたいと願った。

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『人間と青』14. 空の心

空にも気分がある。晴れとか曇りとか雨とか、そういうことではなくて、空の心みたいなもの。今日の空はどよーん、どよーん、どよーん。気持ちを沈めてくる。犬もどよーん、心なしかどよーん。自然と共に生きているから、

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『人間と青』13. 魂のゆく末

魂はどこへゆくのだろう。人間の、動物の、植物の、生きとし生けるものすべての。魂は存在するのだろうか。すぐそばにあるような気がして、すぐそばに見えるような気もして、でもどこにもないような気がして。美しい空を

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『人間と青』12. 植物おじさん

朝起きてカーテンを開けたら、植物おじさんが待っていた。やぁ娘さん、ちょっとメモをとっておくれ、恋しぐれ。はて、一体何のことでしょう?朝顔だよ、アサガオ。種をもってきたんだ。もしうまくいったら、団十郎もあ

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