寝室に潜むサソリの、その後について話したい。あれから数日、体半分だけ出して天井の中に隠れていたサソリ。でも移動はしている。ある夜は、枕の上にあたる位置でおなじみの姿で待機。落ちてくることを想像しただけで
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『人間と青』116. 地元民のためのレストラン
お気に入りの食堂でランチを食べて、ぶらぶら帰り道を歩いていたら、バカンスに入ったと思っていた店が一軒開いていた。「あれ、開いているの? バカンスは?」「はて?」(あれ、わたしどっかの店と間違えたのかな⋯⋯
Read More『人間と青』115. すっかり忘れていた
わたしはすっかり忘れていた。イタリア人が長いバカンスに入ることを。この地で年がら年中暮らしていない者にとって、すごく影響すること。それは、バールやレストランである。フィレンツェも残り少なくなってきたので
Read More『人間と青』114. シェケラート
シェケラートが好きである。イタリアで生まれた、ノンアルコールのコーヒーカクテルのことである。エスプレッソと砂糖をシェイカーで振って作るのだが、リキュールやブランデーを少し加えても美味しい。その昔、バーを運
Read More『人間と青』113. コインランドリー
フィレンツェの家は、ナポリ同様に洗濯機を置いていない。設置できないと言ったほうが正しいかもしれない。手洗いに慣れてしまったわたしは、ナポリの延長線上、何となく手で洗っていたのだが、バスタオルや枕カバーの予
Read More『人間と青』112. アルノ川の夕焼け
アルノ川に沈む夕日。光輝く水面をゆっくり流れるボート。赤く染まった空を、ときどきカモメが飛んでゆく。昨日、ヴェッキオ橋から見た夕暮れどきの光景が美しくて、今日もその余韻に浸っている。路上ミュージシャンが歌
Read More『人間と青』111. 天使がやってきた
目の前で列車が発車した。あと3秒あればと後悔してももう遅い。早足で駅まで歩き、3分も時間を縮めたというのに、ホームを逆に歩いてしまった自分を恨む。次のシエナ行きは1時間後。駅のバールでカプチーノを頼んだら、な
Read More『人間と青』110. 葉っぱの音
夕方からモワッとした風が吹いている。夕立のような音がしたので、ひさしぶりに雨を感じられるとドアを開けると、葉っぱが風に運ばれているだけであった。きっと石畳だからであろう。葉の量と風の長さによって、そこ
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