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『人間と青』77. 薬も過ぎれば毒となる

日本ほど便利な国はない。日本ほどすべてに正確な国はない。でもそれは果たして、本当にわたしたちのためになっているのだろうか。ありとあらゆる商品が消費者目線でつくられ、電車はほんの少し遅れただけで謝罪のアナウ

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『人間と青』76. カモメよ

カモメよ、そう、そこの空飛ぶカモメよ。わたしはどこに行くのだろう。わたしの人生は、一体どこに向かおうとしているのだろう。君は悠々と空を飛び、風に乗って、薄汚れた町を眼下に眺めながら、人間は愚かだと思うこと

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『人間と青』75. 食べること

人間は食べないと死ぬ。これは飢え死についての話ではなく、食べ物があるのに、自らをそこに追いやってしまう精神性について。これは大袈裟なことではなく、空腹で今すぐ何かを口にしたいけれど、疲れて家に帰ることしか

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『人間と青』74. ポンペイ

古代ローマの町に遊びに出かけたら、あまりにもリアルで現代的で、“あれ、あの店どこだったっけ?”みたいな感覚で。この町の時間は、本当に止まっているのだろうか。あきらかに動いているようにしか見えない。メインストリ

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『人間と青』73. 泳ぎたい

わたしは泳ぐことが得意でない。だけど泳げる自分を想像するのが好きである。今日もナポリは暑いので、水の中に飛び込む自分を想像していた。小学生のころ、泳げない生徒のための補習授業が夏休みにあった。前日の夜にス

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『人間と青』72. 未明の月

夜眠っていたら、未明にただならぬ気配を感じて目が覚めた。外が明るい。カーテンの向こうに強い光を放つ何かがいる。それが月であることは容易に想像できたけれど、満月の時期はとうに過ぎている。カーテンを開けると、

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『人間と青』71. 昔ながらの洗濯

ナポリで暮らすアパートメントには、洗濯機が設置されていない。二年前は周辺にコインランドリーもなく、ロックダウンで出歩くこともできなかったので、洗濯物は桶で手洗い。この地で暮らす人々を見習って、窓の外に設置

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『人間と青』70. ナミダ

わたしの目にふとした瞬間に現れるナミダ。このナミダは、ある時間をきっかけに、今とは異なる精神世界へと連れていく。そのきっかけが悲しいことであるとは限らない。怒りであるとも限らない。それはとても楽しいひと時

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