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『人間と青』165. 秋の香り漂う

夕方、台所の蛇口から水を出したら、その場にふわっと、栗の香りが広がった。近所のおじさんにいただいた栗の皮を、母が大量に剥いたらしい。流し台の桶に残っていた少量の皮に水があたり、匂いを放ったようである。しか

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『人間と青』164. 台風が連れてきた秋の風

無事、台風が過ぎ去り、今朝は冷たい秋の空気に包まれている。時折吹く風がひんやり肌寒く、わたしは長袖のカーディガンを一枚羽織った。一気に季節が進んだようだ。激しい雨風によって折れてしまった、たくさんの小枝。

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『人間と青』163. 美しく、荘厳なる刻

エリザベス女王の国葬を生中継で見ている。カメラのアングルが素晴らしく、まるで映画を見ているようである。とても美しく、とても荘厳なる刻が流れている。儀式を外で見守る英国民の姿からは、悲しみと敬愛の念が伝

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『人間と青』162. 台風14号

台風14号が近づいてきている。今回の台風は、これまでに経験のない非常に危険な台風だそうだ。世の中の警戒心がいつになく高まっているのを感じるが、それとは真逆を行くわたしの心。気圧の変化で、頭や身体はだるいもの

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『人間と青』161. 復活の兆し

殴り書きしておいた原稿を、読める形にしている。むき出しの感情をそのままアップするわけにはいかないからだ。文章にさえなっていれば、この『人間と青』の中でならそれもアリなのかもしれない。でも単語をいくつか

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『人間と青』160. 朝は静かに一人でいたい

朝、目覚めると、顔を洗って、服を着替える。朝ご飯を軽く食べて、コーヒーを飲む。この時間だけは、静かに、一人で過ごしたい。この時間を確保できるかどうかで、その日の流れが変わってくる。人と暮らすというのは大変

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『人間と青』159. 仏さまが笑った

わたしは遂におかしくなってしまったのだろうか。今朝、仏さまが笑ったのである。閉じた目を開くと、いつも静かに、心を見透かすようにわたしを見ている仏さまの目。その目が今日、両眼とも弧を描いていたのである。なぜ

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『人間と青』158. ゴダール、旅立つ

現地時刻の2022年9月13日、ヌーヴェルバーグの巨匠・ジャン=リュック・ゴダールが逝去した。ここ数年、わたしの人生に彩りを与えてくれた人々が皆、この世を去っていく。わたしが影響を受けてきたものは、そのほとんど

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