古代ローマの象徴“コロッセオ”。やはりここは凄かった。この闘技場が完成したのは西暦80年。奴隷や死刑囚、戦争捕虜などによる剣闘士、猛獣の血生臭い闘いにより、この場は早々に血で赤く染まった。猛獣同士が、猛獣と
Read More• Serials
『人間と青』51. まあいっか
この国にいると、“まあいっか”となる。理不尽なことも多いし、怒りも多発するのだけど、まあ、いっかとなる。そう思わないとやっていけないし、そうならないと自分が損をする。怒っただけ無駄だし、問題を解決する
Read More『人間と青』50. うさぎは速い
今日はうさぎだった。やはり、うさぎは速かった。ぴょんぴょんと跳ねて走るその脇には、緑豊かな草木さーっと流れていく。空から見るイタリアもグリーンだが、地上で見るイタリアはもっとグリーン。うさぎは走る、草原を
Read More『人間と青』49. スカルパの東洋思想
ベニスから列車とバスを乗り継ぎ、辿り着いた小さな村。ここに“カルロ・スカルパ”の建てた墓がある。すごくソリッドで、モダンでオリエンタルで、とにかく静かで⋯⋯。東洋の思想を感じる円と線。その先にある空間と、その
Read More『人間と青』48. ボスの衝撃
ヒエロニムス・ボス、この画家が描く天国と地獄に、もう何度、魅せられたことだろう。そして今日もまた、その何度目かの衝撃を受けた。生きうる限りの人間が想像するであろう地獄の世界を、彼はなぜあんなにもユニークに
Read More『人間と青』47. ベニスに死す
その昔見た映画『ベニスに死す』、ヴィスコンティの傑作である。あの美しい少年は、画面越しに見ても惹かれるものがあった。あの感覚を人に感じることは、そうあるものではない。新型コロナウイルスの世界がまだ終わらぬ
Read More『人間と青』46. 水の世界
海上で行き交う船を眺めながら、昔の商人たちを想像する。ここではバスもタクシーも水の上。警察などの緊急車両も、サイレンを鳴らし、水飛沫を上げながら飛ばしていく。地元の住民は、船の中でパソコンを開き、観光客
Read More『人間と青』45. うさぎか亀か
イタリアの列車はよく遅れる。今日は乗り換えが二度あった。一つ目の列車が遅れたので、到着すると、二つ目の列車はすでに出発していた。次にやってきた列車に飛び乗ったら、それは食堂車付きの高級列車だった。ここに座
Read More