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『人間と青』205. 犬に寄り添う

階下にいる犬が、どちらとも言えぬ妙な声でなにかを訴えている。様子を見にいくと、普段となんら変わらない様子で、わたしにチラリと目線を送る。「あれ、どうかしたの?」本来ならばこれはわたしのセリフ。でも我が家の

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『人間と青』203. 反面教師

やったねパピー、今回も人生乗り切ったね!そんな感じなのである。わたしの父は今朝、ひととおり喋りたいことを喋ったあと、意気揚々に散歩に出かけていった。父はものすごく神経質かつ繊細、そして酒と共に毎晩、性格が

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『人間と青』202. カタルシス

あらためて、カタルシスについて考えている。カタルシスとは、抑圧された感情を解放することで得られる心の浄化のことだが、わたしはそれを人一倍、必要とする人間である。しかし、誰かに感情を吐き出してスッキリするとい

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『人間と青』200. 比類なき存在

何かや誰かと比べることのできない存在というのは、この世の中にどのくらいあるだろう。大衆の目に触れるようなメディアで取り上げられないかぎり、それらは同じ趣味をもつ人同士の小さな世界で、語り継がれることにな

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『人間と青』199. 愛くるしい

また一段と気温が下がり、寒い朝をむかえた。階下に降りると、犬が自分の部屋に敷かれた毛布の上でぐっすり眠っていた。草むらをかける夢でも見ているのだろうか。おだやかな表情をしたその口元が、少し笑っている。ブラ

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『人間と青』198. 無理にでも移動せよ

昨日、散歩について書きながら考えていたのだが、歩くことは動くことである。動くことは移動することであり、それは物理的に場所を変えるだけでなく、その作用により心も動く。わたしの経験上、この移動するという行為が

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