豊かに生きるとはなんだろう。日々、生活していく中で、ある程度のお金はもちろんのこと、物質的な豊かさが必要なことは確かだ。でもそれよりも大切なこと。それは何をどう選ぶのか、そのセンスがとても重要になってくる
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『人間と青』188. 純粋に生きたい
人の心を動かす。それは純粋な気持ちだけでどうにかなるものではない。天才だろうが偉才だろうが、個人の力で人を魅了し続けられる人というのは、その裏にたくさんの努力がある。悲しみも苦しみもある。そういう人たちだ
Read More『人間と青』187. 浮かび上がる輪郭
朝、太陽の光を浴びて室内に入る。そのまま仏壇のある部屋へ向かい、手を合わせる。眩しさで覆われた目は、まだ光届ぬ部屋に対応できず、周辺は白く霞み、仏様の姿が認識できない。流れのまま目を瞑り、拝み、瞼を開くと
Read More『人間と青』186. 祖母の故郷
大きな大きなイブキビャクシンの体に手を当てる。どっしりと構えた根から伝わる長い年月の記憶。わたしの手のひらに、脈々と⋯⋯。ここには祖母の思い出が詰まっている。祖母が祖父の元に嫁ぐまで過ごした、二十何年の月
Read More『人間と青』185. モフモフ
犬の毛がだんだん冬毛になってきた。いつも以上にモフモフしている。頭から首にかけて丸みが増して、その和やかなフォルムで、てくてく歩く姿を後ろから眺めていると、なんとも言えぬ堪らない感が内側から溢れ出てきて、
Read More『人間と青』184. 未知なる脳
空がその日の心情を表わすとしたら、いや、その空によって心情が変わるとしたら、今日の空は、予期せぬ色を運んできたと言えるだろう。力強い風が、固まった絵の具を吹き飛ばすかのように、それは不意にやってきた。近
Read More『人間と青』183. 感情のない日
何を見ても何を聞いても、何も感じない日がある。一歩距離を置いて、淡々と物事を見ているような日。犬を見て可愛いだとか、ちょっと特別な梨を食べて美味しいだとか、ブランケットに包まっても寒いだとか、そういう日々
Read More『人間と青』182. 白と灰に水色
白と灰に水色。夕刻の空に描かれる此程の心情。雲は大きく、太々しいほどに分厚くて、太陽の光までもが紆余曲折している。あちこちに散らばる2色の心は、しっかりと分化するわけでもなく曖昧で、得体の知れぬ不安に押し
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