ここひと月ほどは、日本の作家やエッセイストの現代作品を中心に読んでいるが、
これはわたしにとって極めてめずらしいこと

これまでに読んできた作品はほとんどが海外文学で、
いくら翻訳者が日本人とはいえ、やはり視点や感性がまったく異なる

文学だけでなく映画もそうだが、
昭和中期以降の作品にはほとんど触れてこなかったので、
今さらだがとても新鮮で、はからずも勉強になっている

たとえばバブル崩壊後の90年代を背景に描いた作品からは、
バブル崩壊後であるにもかかわらず、たった30年でこんなにも時代は変わったのだと思い知らされる

当時の日本はサブカルチャーが成熟し、ギャル文化が大きく花開いた時代だが、
あの頃のわたしはまだ青く、それでも無知は無知なりに多くのことを学んだ
現在よりも未成年に対する規制が緩かったので、高校生になるとクラブで遊んだりヒッチハイクで出かけたり、それはそれは自由であった

今となって考えてみると90年代は本当に貴重で、
学校にも家にも居場所がなかったわたしは、あの時代だったからこそ外に居場所を見つけて乗り越えられたのだと思う

そして、あの時代に大人の目線から描かれた作品は、わたしが年齢を重ねた今だから共感できるものがあり、あの時代に多少なりとも遊んでいたから思い出せる感覚がある

わたしはやはり、日本の地で育った日本人なのだということを認識させられる

日本人による日本の、世界の物語にも、これからはもう少し触れていきたいと思う