階下にいる犬が、どちらとも言えぬ妙な声でなにかを訴えている
様子を見にいくと、
普段となんら変わらない様子で、わたしにチラリと目線を送る
「あれ、どうかしたの?」
本来ならばこれはわたしのセリフ
でも我が家の犬は柴犬で、猫のようにツンデレ
なので同じセリフをわたしに返してくるのである
そっと撫でて安心させ、わたしは自分の部屋へと戻る
するとまた、彼女は同じことを繰り返すのである
ここ数日は父の検査やら何やらで、いつも家にいる人が出かけていくので、
わたしが二階にいるだけでは不満なのであろう
だから今日は、一日犬に寄り添うことにした
パソコンやら本やら仕事道具を一式移動させ、朝からずっと同じ空間で過ごしている
犬は何度も窓を開けるよう要求し、となりで一緒に外を見るよう目で訴え、
庭を横切る猫には興奮を隠せず、
今はようやく安心して、わたしのそばで眠っている
右足が少し重たいけれど、とてもあたたかい