今日、仏さまのいる部屋に行ったら
寿命を迎えた百合の花が、その場で息絶えていた

手を合わせる前にひと通り綺麗にしていたら
ここ最近の薄汚れた感情が
少しばかりスッキリするのを感じた

犬がその後ろを小走りで駆け抜けていく
タタタタ⋯⋯、タタタタ⋯⋯

どうやら犬は、わたしが怖くて入ることを躊躇する部屋に冒険に行ったらしい

我が家の仏さまは、空海さん

空海といえば白と黒の犬なので
我が家の犬、といっても彼女は黄金色だけど

その我が家の犬も一緒に挨拶させたくて
恐る恐るその部屋に入り、一緒に仏さまの元へ戻ってきた

しかし、やはりそこは犬
気がつけばもういない

いつものテリトリーへと戻る犬の後ろ姿を見送りながら
わたしは一人、仏さまに手を合わせた