ナポリに到着してから
毎日、一日も欠かさず花火の音が鳴っている
今日はなぜか昼間にも鳴っていた
鑑賞用の花火は十四世紀のフィレンツェが始まりとされているし
ここナポリの新年を祝う花火も有名なのだが
今回はそういう花火ではなくて
守護聖人の日とかでもなくて
どこからともなく、毎日花火の音がするのである
今日はあの建物の裏だ! と火花でわかる時もあれば
距離はあるけれど、カーテンを開けると真正面に見える日もある
実はこの花火、
なんとロックダウンの最中にも打ち上げられていた
これを書いている今、
アパートメントの屋上でも誰かが仕掛けているかもしれない
というのも、わたしの部屋は最上階にあるのだが
バスルームの上でそのような音がしている⋯⋯
いやはや、
この国は一体、ナポリは一体⋯⋯
しかし、花火の打ち上がる音というのは
何度聞いても誘われて窓の外をのぞいてしまう
すると今宵は
まん丸のお月さまが顔を出していた
正確には明日が満月のようだが
そのお月さまはどこか花火を楽しんでいるように見えた