洗濯物が頭上をはためく昔ながらの路地裏を
アコーディオン弾きが歩いていく
週末になると見られるいつもの光景

ロックダウン中はその音も無くなってしまったけれど
見覚えのあるおじさんが
今、演奏しながら
我がコミュニティを歩いている

今も変わらぬ懐かしい光景
何も変わらない我がコミュニティ

バルコニーから顔を出して
その音を聴くおばあさん
サッカーボールを手に持ち
家路を急ぐ少年

ベスビオ山に見守られながら
広い空を鳥が飛んでいく

教会の鐘の音が酉の正刻を知らせる
いつもの光景
いつもの流れゆく時間

ハッピーバースデイの歌が聞こえてくる
誰かが誕生日を迎えたらしい
シャンパンを開ける音も聞こえてくる

その音に重ね合わせるかのように
飛行機が空を飛んでいく
一日に何度も
あの飛行機は一体どこへと向かうのだろう