ベニスから列車とバスを乗り継ぎ、
辿り着いた小さな村
ここに“カルロ・スカルパ”の建てた墓がある
すごくソリッドで
モダンでオリエンタルで
とにかく静かで⋯⋯
東洋の思想を感じる円と線
その先にある空間と
その手前にある空間の境界線に
この世とあの世をつなぐ見えない仕切りを感じる
スカルパの精神や思想、そして現実を
行き来しているようである
睡蓮が咲く東屋の池には
水の流れる音だけが響き
ときに現れては消える魚が
その水に繊細な動きを描いてくれる
この世界は禅に通じる
己の心と向き合う世界
研ぎ澄まされた
ここにしかない、静かなる世界