城壁に囲まれた
石畳の道が続くベルガモ
旧市街にも新市街にも
教会の鐘の音が鳴り響く

詩人・ヴェルレーヌの“月の光”からインスパイアされて
ドビュッシーが『ベルガマスク組曲』を書いたように
この地には何かを連想させる力があるらしい

第三章『月の光』
もとの名を“感傷的な散歩道”

この美しい街を歩いていると
たくさんの犬とすれ違う
しかも、まだ若い子が多い

コロナの影響だろうか
人々の支えとなるものが
この地に必要だったことは言うまでもない

彼らは人懐っこく
ちょっとマヌケでありながら
人間のそばで楽しそうに笑っている

そういえば、
わたしをホテルで出迎えてくれたのも犬だった
ふわふわの毛をすり寄せ
わたしの手をぺろぺろと舐めていた

今日の夜は
“月の光”を聴きながら過ごそう
犬に降り注ぐ月の光
その光で犬は人間を照らす