過去の記憶に触れなくてはならなかったこの日
わたしは疲れ切ってしまった
たった一時間で急激に剥がれていく
脳の断片

いつも回避できない何かが不意に現れて
ブレーキを懸命に踏んでも
なにも効きはしない

そしてわたしは
底知れぬどこかへと落とされていく

ああ駄目だと
必死に歯向かう姿がそこにある
小さな棘が次々と生えてきて
わたしの脳は熱を帯びていく

今回だけはやめてくれと抵抗する
でもわたしの脳は
底知れぬ暗闇へと消えてゆく