本も無事、楽しく読み終えたことだし、
そろそろ一旦、ここから抜け出さないと、ユングの世界に潜り込んでしまいそうである
作者の分析は帰する所、わたし自身の分析へと移行したのだが、
そもそもが安定した精神のなかで、平凡という時間に感染したところから始まっているので、当然といえば当然である
しかし、脳がそれだけに支配されて思考の繰り返しになってきた今、一度離れないことには安定が不安定へと変わってしまう
ただでさえ年末はそうなりがちなので、わざわざ自分からそこに突入することだけは避けておきたい
それにしても、今回のような思考は普段、鬱屈した状態において発生するもので、普通の安定した状態でこれを自然に考えられていることがめずらしい
普通の状態だから思考の流れは違うし、哲学に触れるような形でこういう精神世界に入っていけるということがなかなか感慨深い
平凡に感染していた期間はずっと、ラッフルズホテルで撮影した写真が選ばれてきたのだが、それが今回のわたしの精神状態を物語っている
それはつまり、とても目覚ましい思考の時間だったということ
このようなきっかけを提供してくれた作者に感謝したい
※連載『人間と青』は、これにて終了となります。