わたしは今現在、人間である
そばには時々、犬がいる

犬はどう表現しても足りないほどに素晴らしい生き物で、
わたしが今、置かれている環境になくてはならない存在である

しかし、わたしは決して犬にはなれないだろう

なぜなら犬は、人間ありきの生活。
野良犬になれば危険扱いされるし、
自分ひとりで散歩することも、お風呂に入ることもできない

犬はそれでいいのだろうか
主人やその家族といることを、本当に第一の幸せと思っているのだろうか

その点、猫というのは自由である

いや、外に自由に遊びに行けない家猫は、場合によって窮屈かもしれないが、
ある程度の栄養を確保できるなら、毛並みもきれいに維持できる

危害を加えなけれは、野良猫でも危険扱いされない

繁殖しすぎないよう手術をして(善悪は別として)、もう一度外の暮らしに戻してくれたりもする

それにしても欧州、とりわけフランスの田舎で出会う猫たちは皆、幸せそうである

彼らは外で自由に暮らしながらも、近所の人たちに見守られている
みなが飼い主となって彼らの行く末を見守っているので、野良猫なのか家猫なのかよくわからない

だからなのか、なぜかよく話しかけられるし、
気がつけばすぐそばにいたりする

たとえばこのグレーの猫。
この猫には、“ここから降りるまで見守ってくれ、通り過ぎないでくれ”と頼まれた(たぶん)。
足場がぐらついていたらしい

日本の野良猫にもよく話しかけられるが、彼らはどちらかというと食べ物を欲している

いずれにしても、どの犬もどの猫にも幸せであってほしい

そう思うのである