若い頃のわたしは、自分探しをする必要がなかった
年齢を重ねた今のほうが、自分探しをしている気がする
それはきっと、真に自分と向き合うことができているからだと思う
その昔、メキシコ+南米をバックパッカーで一人旅したときも、
自分探しという名目すら考えたことがなかった
きっと自我が強かったのだろう
“メキシコの色が見たい! それならばついでにアルゼンチンまで南下しよう”
現在のように便利な時代ではなかったが、
そのくらい軽い気持ちだった
むしろ便利な時代じゃなかったからこそ、“ついでに”と考えたのだろう
アメリカ大陸は思っていた以上に大きくて、3か月ですべて巡るなど到底無理で、
中米を飛ばすという強硬手段に出たのだが、それでも訪れることができたのはたったの5か国
その国々でさえ、納得いくまで見れていない
だからわたしには、世界一周の旅は向かない
一つひとつの国を出来るだけ深く知りたくなるので、
世界一周などしていたら、あっという間におばあさんになってしまう
ではなぜ今、自分探しなのか
もう一度、まっさらな自分に還る
それも今の自分に還るということなのかもしれない
人間は生きていくうちに変わっていくし、
いろいろなことを経験していくうちに、新たな人生を歩みたくなる
いわゆる自分探しではなく、今の自分に正直に向き合いながら生きる
これこそが、本当の自分探しなのではないかと思う