英国が英国であるのはエリザべス女王、あなたの存在がとてつもなく大きいからであろう
十四歳のころ、わたしは懇願していた
中学を卒業したら英国に行かせてほしいと
教育に対してごくごく普通の考えしかもたない両親に、そんな願いなど届くはずもなく
でも自分の言動を事あるごとに否定されてきたわたしは、この家庭に辟易としていて
すべてに反発するかのように勉強を辞め、ファッションの世界へと逃げた
なんて愚かだったのだろう
辛いからこそ未来を見据えて、負けじと勉強を続けていたら
今ならそう思えるが、後悔してももう遅い
学ぶことは今でもできる
でも、その学びのための脳を鍛えることは、大人になってからだと限界がある
それが現実なのだ
しかし、その後も縁があったのか
最初に訪れた海外も、最初に仕事で関わった日本以外の国も、欧州と日本の引っ越し生活を始めて最初に暮らした土地も英国だった
そんな思い入れのある場所だが、今はこの国があまり好きではない
その理由はここでは省略するが、ただ心底嫌いになることはなかった
それはエリザベス女王、あなたを筆頭とする英国王室があったからである
日本の天皇皇后両陛下もそうだが、
この品位ある存在が、その国をその国として美しく保つことにいかに尽力されているのか
本当に心から尊敬する
しかも英国では今現在、生きているすべての人々がこの女王の存在と共に暮らしてきたのだから
それがどれだけ尊いことなのか
わたしにとってもあの時、あの辛い多感な時期に英国からの文化的影響がなかったら
逃げることすら中途半端になっていたかもしれない
あの頃の英国は、わたしに反骨精神を教えてくれた
それは今でも時々、一筋縄ではいかない人生の役に立っている
だからもう一度、この国に感謝する時がくるのではないか
今はそんな気がしてならない