ベートーヴェン「悲愴」第二楽章
十四歳の頃からずっと
わたしに寄り添うメロディー

嬉しいときに口ずさむ鼻歌も
悲しいときに口ずさむ鼻歌も
なんの意識もなしに
どこからともなく流れてくるメロディー

あれから幾星霜を経た今も
変わらずわたしを包み込むメロディー

あれはいつだっただろう
ふと、この曲なんだっけと思ったことがある
きっとその頃のわたしは
毎日のようにこのメロディーを必要としていて
自分を慰めていたのだろう

それまではずっと
この曲のタイトルを調べようともしなかった

それほどに
あたりまえに
わたしに寄り添うメロディー

いつでもどこでも今でも
わたしを包み込んでくれるメロディー