どんどんと
故郷に鳴り響く太鼓の音
幼き頃を思い出す

懐かしいと感じられる心そのものが
奇跡のよう
このような時が訪れることを
誰が想像できただろう

故郷を去ってはや二十何年
ようやく大人に近づけたのだと
しみじみ、犬と分かち合う

久方ぶりに聴いたその音は
子供の楽しそうな声と共に
夕刻の空へと溶けてゆく

犬よ、
すべてはあなたと共に
心からありがとう