わたしが第二の人生をスタートさせたのは、
2019年、38歳のときである
それまで暮らしていた東京をはなれて、
日本と欧州を行き来する生活を始めた
ゼロから今の仕事に挑戦、
そこに新型コロナウイルスがやってきた
その影響は一つではなかった
仕事を失い、これまでの数少ない実績も失った
だからといって、
東京での生活を捨てたことに後悔はしていない
また白紙に戻ったので、一般的にはタイミングが悪かったように映るだろう
でもわたしからするとその逆で、タイミングはむしろ良かったと思っている
まず第一に、最初のパンデミックをイタリアで過ごせたこと
この経験は相当に大きかった
この国には、感情むき出しで生きている人が多い
言葉をかぶせて話す人も多く、聞いているだけで正直、疲れることも多々あるのだが、
これまでの人生で積み重なった負の感情を乗り越えるための見本を、
イタリアはまざまざと見せつけてくれた
もちろん、これは結果論であって、
最初からそれを目的にイタリアに飛んだわけではない
でもそれにより、わたしの人生から負の遺産が消えた
それはどういうことかというと、トラウマを家族のせいにすることがなくなった
つまり、過去を過去のこととして認められるようになったということである
そして、合わないものは合わないものとして、
シンプルに処理できるようになった
今はゼロからではなく、イチからのやり直し
まだまだ生活も大変なのだが、頑張りたいと思う