古代ローマの町に遊びに出かけたら
あまりにもリアルで現代的で
“あれ、あの店どこだったっけ?”
みたいな感覚で

この町の時間は
本当に止まっているのだろうか
あきらかに動いているようにしか見えない

メインストリートや広場や浴場で
“今日は暑いから町に人が少ないわね”
“あの角を曲がったところに新しくバーがオープンしたのよ”
なんて会話が聞こえてくる

今日は晴天で
頭が痛くなるほど日差しが強いのだけど
ポンペイの町には
晴れより雨が似合う

まとまった雨が降れば
この町は今以上に息を吹き返す
雨除けに布を頭に覆いながら
濡れた地面を急ぎ足で歩く人々の姿が見える

そう考えると
今生きている世界とは何なのか

約2000年前の古代ローマの時代から
人間の根本的な生活が
何も変わっていないことに驚かされる

新型コロナウイルスも
ロシアのウクライナ侵攻も
自然災害も
結局は、単に繰り返される歴史の一部なのだろうか

この世界は一体何なのか
人間は本当に生まれてから死ぬのだろうか
不思議でならない